原発事故、訪日外国人4分の1に 観光・小売業に打撃(47News)
東日本大震災や原発事故の影響で、日本を訪れる外国人が急減。地震発生の3月11日から31日までに成田空港から入国した外国人数は、1日平均で約3400人と昨年3月の平均の約4分の1に落ち込んだことが6日、東京入国管理局の調べで分かった。ツアーやホテルの解約も相次ぎ、外国人客への依存を強めていた観光・小売業界は深刻な打撃を受けている。 |
去年5月の皇居前広場。外国人観光客で溢れていました。
左の男性の背中には「INAMOTO」。イギリス人かな。
くつろいだ姿でガイドブックをみる白人女性グループ。ロシア語を話していたような
タイム誌は56カ国に住む12万人を対象にアンケートを実施し、世界の主要20カ国の国際イメージをランク付けした。トップは日本で77点を獲得。以下、ドイツ(72点)、シンガポール(71点)、米国(64点)の順で、中国は62点を獲得して第5位だった。日本は2007年から4年連続で第1位だった。 |
皇居前の観光客が見る丸の内の大景観。シックな色使いながらも、色や高さが適度にバラけている高層ビル街のスカイラインは東京では意外と貴重です。以前は手前の煉瓦色の東京海上ビルの高さ(100m)に制限されていたのが、なし崩し的に200mに緩和され、奥の新生・丸ビルや新・新丸ビルが出現しました。
高さをや色を統一することが景観を守ることだとシンプルに考える人が多いようですが、妙に高さが統一された高層ビル街は、遠目にみるとスカイラインが成立せず、ひとつの大きなコンクリートの塊にみえてしまいます。(例・品川の駅前のビル群 )。
皇居前からみる丸の内の街並みは、1世紀の時間をかけて洗練を重ねてきた、日本の大切な財産だと思います。皇居観光を終えて東京駅方面に戻る外国人観光客の視界いっぱいにこの光景が広がることは、日本人が考える以上に、日本のブランドイメージ向上に貢献していたのではないでしょうか。

首をかしげたくなるのが高層化された明治安田生命館。皇居と丸の内の街並みを隔てる巨大な塗り壁のよう。皇居前にこのような、訪れる人の視界を遮り、威圧するような幅広の高層ビルが建つことに、計画段階で疑問を呈する人はいなかったのでしょうか?(裏に原発でもあるなら話は別ですが)。例えば東京駅前の中央郵便局跡に250mのビルが建ってしまうよりも、こちらの方がよほど皇居前の景観を害していると私には思えます。
皇居前を始め、日本の景観論争では、高さばかりが争点になりますが、それでは行政(含・宮内庁)も、建築関係者も、マスコミも思考停止状態ではないか、と思うのですが、言いすぎでしょうか。高さ協定を守り、足元の旧館を保存したから景観を守ったと評価するのは短絡だと思います。
手前の茶色いビルは帝国ホテル。ここもきっと宿泊客が激減しているんでしょうね。
奥の複雑な形状をしたエメラルドグリーンの高層ビルは汐留シティセンター。全日空の本社が入居しています。航空会社もキツイでしょう。
右の黒いビルはみずほ銀行本店です。観光とは関係ないですが、こないだの大規模システムトラブルには私も巻き込まれエライ難儀しました。
真ん中にニョッキリとたつ紅白の鉄塔、あれこそ今回、長い時間をかけて築きあげられてきた日本のカントリー・ブランドを一撃で毀損した張本人・東京電力の本店ビル、その屋上に建つ連絡塔です。建造物としても、大変無粋で時代遅れな印象。皇居前の景観を毀損していますね。東電解体論が叫ばれていますが、その際には是非あの鉄塔も解体撤去を。

大手町・神田方面を臨む。 左はじの東京消防庁の屋上の紅白鉄塔もイケてないなあ(福島原発での放水作業は男前でしたけど)。周りにもっと高いビルが建ってるんだから、屋上にパラボラを設置させてもらうとかできないんだろうか。

東京海上ビルと新丸ビルの間の「仲通り」を、軽装で歩く外国人観光客。しばらくこういう姿は見られなくなるのかなあ・・・。なんとかこれ以上事態が悪化することなく、またこのような光景が当たり前のこととなる日が1日も早く訪れることを切に願います。
外国人観光客のいない皇居前周辺は様になりません。