夕闇に溶け込む UENO3153(サイゴウサン)

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夕刻の「3153」。植栽部分の淡いライトアップが上ほどよいアクセントになってかなりオシャレです。まだちょっと街から浮いた感のある昼の姿より、むしろ夜景の方が風景に溶け込んでる感じがしますね。
昨日の記事では上野の街並みにおける景観上の影響ばかり語っていたので、今回は理屈抜きに綺麗な「3153」の夜景写真を何枚か、それと、テナント情報やプレスリリースにある施設の見所などもいくつか抜粋して紹介します。

上野経済新聞 (8月7日)  より抜粋

3階には老舗洋食店の「精養軒」、海鮮日本料理店の「さつま魚鮮」が、2階には牛たん「ねぎし」、焼き肉「叙々苑」、「ペッパーランチ」が出店。1階は「ファミリーマート」、フードコートとして「ロッテリア」や「コージーコーナー」が営業するほか、地下1階には「銀座ライオン」「旭鮨」、地下2階には「鳥よし」が入る。

入居するテナントのほとんどが飲食店で、同組合は「公園の規制の関係で飲食店以外は入居することができない。数多くの飲食店に集まってもらったことで、ここに来ればカジュアルにおいしいものが食べられるという顔ぶれになった」と自信を見せる。



ということで、これで上野でメシを食う選択肢が格段に広がります。しかし、公園の規制の関係で飲食店以外は入居できないって・・・、どういう規制なんだろう?ここは本来公園の敷地の一部だから、公園内にある売店のような扱いということ?飲食以外の物品って公園内で売ってなかったっけ・・・?、まあ、いいや。上野は他の主要ターミナルと違って、小奇麗で気の利いた飲食店の数が絶対的に不足してる感があるので、この施設が飲食店ビルになるのは街の魅力を向上させる上で正解だと思います。


一階の繁華な光と、2階、3階の淡い、灯籠のような間接的な光の質感のコンビネーションがとても気持ちいい。ずっと眺めていたい気にさせます。昼間の写真では見えませんでしたが、夜になって明かりがともると一階では開店直前の準備に追われる店内の様子が伺えました。


これはロッテリア?店員のミーティングでしょうか。1階はファストフード系やコンビニがメインのようですが、庇の上の植栽のライトアップと内装の光がマッチして、なんかどこにでもあるロッテリアの店とは一味ちがうプレミア感が漂っていますね。実際他の店と差別化してるかどうかは知りませんが。
まあ、全体的にカジュアルな店ばかりのようですが、ちゃんとした食事をとる店は2、3階と地下に入るようです。


西郷さんが見守る屋上テラス。オープンにあわせて、西郷像も毎日ライトアップされるそうです。それもただ明るく照らすだけでなく、相当に凝ったもののようです。

「UENO3153」報道資料
より抜粋

・・・沖縄県の首里城などを手がけた照明デザイナーの近田玲子さんと東京芸術大学彫刻家の深井隆教授に協力をもとめ、ライトアップ計画を進めてきた。白いLED)光器1台を使い、最も効果的な角度や場所に照明を当て西郷さんを浮かび上がらせる。夕方は夕日のような柔らか味のある色見、次第に白っぽい色見に、さらには月の光のように青みがかった色見、調光する。これで陰影が鮮明になり、銅像も引き立ち、色の変化も楽しめる。近田さんも「光の色を変えることで、西郷さんの温かい人柄や、青白い光で国を行く末を決断する厳しさなどストーリー性がだせる」と語っている。いずれにしろ昼間の西郷さんとは一味もふた味も違った西郷さんが楽しめそうだ。

と、いうことなんだそうで、今まで、日が落ちると薄暗くてちょっと怖かった感のあった西郷さん回りも、これからはオシャレなデートスポットとして使えそうです。
ところで、ライトアップで「温かい人柄」や「国の行末を決断する厳しさ」まで表現できてしまうなんて・・・、いったい、どんだけすごい照明ワザなんだろう!? (てゆうか、西郷さんて「温かい人柄」だったの?)

 


大通りにもダイレクトにつながる屋上出入口はテラスの両脇に2箇所設置。ところで、このテラスは、西郷さんが仕えた「島津光久の別邸・仙厳園」をイメージし、わざわざ鹿児島から取り寄せた植物が植えられているんだそうです。一見どうということはない屋上テラスですが、こちらも随分とこだわりを持って作られているようです。


さらにもうひとつこだわりの一品。江戸・明治のころの上野の様子を描いた、タイル製の錦絵です。
「UENO3153」報道資料室より

東側塔屋壁面に、タイル製の巨大な浮世絵、明治錦絵が登場する。国立国会図書館のデジタル化資料「東都名所 上野東叡山全図」(江戸期)と、「東都名所之内上野山内一覧之図」(明治期)を、許可を得て複製しタイルに焼き付けたもの。60㎝四方のタイルを縦に4枚、横に8枚つなぎ合わせ、それぞれ縦2.4m、横4.8 mの巨大な精密タイル画として常設展示する。「東都名所上野東叡山全図」は、上野の寛永寺創建時の模様を広重が描いた浮世絵。「東都名所之内上野山内一覧之図」は上野公園で第二回の内国博覧会(明治14年)が開催された模様を河鍋暁斎が描いた作品。江戸から明治へ、上野の歴史を象徴する2枚のタイル画は、西郷さん銅像前の新たな魅力となりそうだ。

これは一見の価値がありそう。実に上野らしい粋なアイテムですね。待ち合わせの時間に眺めるのにちょうどよさそう。


通りを挟んだヨドバシカメラ前から。ガラス張りのカーテンウォールから放たれる店の光はギラギラ感もなく上品です。
昼みると、まだあまり茂っていない植栽部分がまだ「板についていない」印象を与えるんですが、夜はそこに控えめなスポットライトが当たることで、やわらかい造形が投影されていいアクセントになっていること、それとちょっとケバイ印象のある、縦のラインの赤色が見えなくなって全体的にシンプルな色使いに見えること、このへんが夜の方がよりオシャレにみえる理由ですかね。

理屈はさておき、新しいランドマークの誕生で、上野の夜景が一気にグレードアップしました。

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