「真夏の」と題しておきながら「その②」は9月になってしまいましたが、丸の内駅舎のオープンが10月1日ということなので、今回は、オープンまで1ヶ月を切った赤煉瓦駅舎の、完成間近の表情をレポートする、ということにします。(撮影は8/21ですが^^;)。
JPタワー側のバス停あたりから南側ドームを臨む。( 今回はJPタワー側から大手町側に回り込みながら見ていきます。)
8月にしては空気が澄んだ早朝、背後から照らす強い日差しが後光のような効果を生みだし、神々しささえ感じさせる赤レンガ駅舎。 ネギ坊主屋根のとんがり頭の真後ろに八重洲口のグラントウキョウノースタワーが覗き、八重洲、丸の内のあまりにも対照的な両駅舎の頭頂部が重なりあって見えます。
ところで、グラントウキョーのガラス張りのデザインは、「東京駅ビル」にしてはちょとあっさりしすぎというか捻りがないというか・・・、例えば「丸の内パークビル」のようにガラスカーテンウォールとレンガ色素材の縦のラインをミックスしたファザードにし、また、頭頂部の形も、丸の内駅舎の屋根(角ばった方)をモチーフにしたポストモダンなデザインにして、丸の内駅舎に共通するコンセプトにしたらよかったのに・・・、などと常々感じておりました。
しかし、このアングルのような重なりで見てみると、箱型で透明感のあるガラスのタワーで正解だったのかな、という気もして参ります。前回述べたJPタワーの低層部と高層部のコンビネーションと同じ理由です。敢えて存在感を消して空に溶けこませるという・・・。
少し丸ビル側に下がって、「ノースタワー」「丸の内トラストタワー」そして日本橋口の「サピアタワー」の全景も入れ込んで。
ご存知のように東京赤煉瓦駅舎は、JPタワー低層部=「旧東京中央郵便局舎」のような装飾を排した「初期モダン建築」とは対照的に、壮麗なプレモダンの装飾建築です (辰野式ルネッサンス様式というんだそうです)。 なのでグラントウキョウの色やデザインが凝ったものだと、こうして両方重ねて見た場合、かなりくどい景観になっていたかもしれません・・・。うーん、いやまあ、そこは程度の問題というか建築家のデザインセンスしだいだよな。やっぱり。
ちなみに丸の内パークビルはこんな感じ(去年4月撮影)。低層部は「三菱一号館」が忠実に再現されています。赤煉瓦のバロック調建築(クイーン・アン様式、というんだそう。)の上に、その色調、デザインコンセプトを引き継いだ巨大な超高層ビルが違和感なく乗っかっています。この建築をみた欧米人も「なんて綺麗なビル!」と感嘆するそうです。こういうのを見せられると、グラントウキョーもこういうふうにすればよかったのに、と思ってしまうんだけど・・・、まいいか。JRは敢えて丸の内側と八重洲側を別世界に切り分けたかったんでしょう。
話がそれましたが、丸の内駅舎に戻ります。丸ビルの玄関先あたりから、引いたアングル。
朝日を背に受け、後光というより、なんかオーラを発しているような感じに見えるノースタワー&トラストタワーと赤煉瓦駅舎。これらのビル群があるおかげで朝の逆光の中でも東京駅の写真が撮れます。
真正面から。グラントウキョウの2本のガラスの巨塔を、仁王像のように背後に従えて赤レンガ駅舎が鎮座します。
個人的には、ツインタワーの間がちょっと空き過ぎていて、景観的に非常にアンバランスな気がします。といっても、一列にこの空間を埋めると圧迫感があったことは確かでしょうから、八重洲側の東京駅の向かい側の地区の再開発構想が実現して、できればグラントウキョウより高いビルが複数建ち、八丁堀方面に向かって連なっていく感じになると、景観に奥行きと立体感が出て、新旧のバランスのとれた東京の顔にふさわしい大景観になると感じます。ま、おそらく「お約束」の、「皇居前からの視界を塞ぐのはけしからん」とかいう「景観論争のための景観論争」がでてきて、実現しないでしょうけど。(また話が八重洲側にそれました。。)
逆光ですが、せっかくなので駅舎中央部分にズーム。
南北のドーム屋根部分と違って、真ん中は改築(復元)前とあんまり変わった印象がなく、ちょっと地味な印象。工事で1階分高くなって本来の姿である3階建てになってるようです。
10月のオープン後も駅前広場の整備工事はまだ続くようなので、工事用の囲いの存在感が大きく、駅舎の方もまだまだ工事が続くような錯覚を覚えます。実は撮影時には駅舎の方が完成間近ということを忘れておりました。(笑
北側(大手町側)まで戻って、JPタワーと込みで。このアングルだと 南北330mに及ぶ、赤煉瓦駅舎の変化に富んだ壮麗な連なりの全景が臨めますが、広場側の工事用プレハブに隠れてJPタワー低層部の「美白の郵便局舎」は見えません。 駅舎の方も足元はまだ工事用の白い塀に隠されていますが、こちらはもうまもなく撤去されるでしょう。ただ、駅舎完成後も広場の工事はまだ続くので、この邪魔なプレハブはまだもうしばらく残ると思われます。全ての工事が完成した暁には、ここがBric red & White & Blue を一枚に収める絶好の撮影ポイントになるでしょうから、広場のオープンを待たずに、プレハブだけでもなるべく早めに撤去してもらいたいものですね。
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まで1ヶ月を切った赤煉瓦駅舎の、完成間近の表情をレポートする、ということにします。(撮影は8/21ですが^^;)。