春がきたので上野に来たよ~
前はこんな建物でした。
なんでも、建て替えは何十年も前からの上野広小路商業共同組合の悲願だったそうですが、この場所はあくまで上野公園の一部であり、登記上は存在しないのだとか。戦後の闇市を立ち退かせるための臨時の仮設建築が21世紀まで延々残ってしまったとうことです。

完成後はこうなります。本来公園の一部なのですから、グリーンを配したエコなファザードはここに建物を残す上ではベストのデザインでしょう。上野を最初に訪れた人が不忍口をでて最初に目に飛び込んでくる、街のファースト・インプレッションを形成する風景です。戦後の焼け跡のイメージが強かった上野の街も、新西郷会館の完成で劇的に変わるのではないでしょうか。
新西郷会館の完成イメージパースの端っこをみると、この建物もキレイになっているようなので建て替え計画は進んでいるのかな?
戦後の香りを残す上野の風景にノスタルジーを感じる人も多いと聞きますが、本来上野駅不忍口は、ターミナル駅の真ん前がいきなり緑豊かな大公園で、そのまま日本随一の芸術施設集積地へとつながる文化の香り漂う街であったはずです。
戦後の混乱期に緊急避難的に建てられ、様々な複雑な事情で老朽化するに任されてきた本来そこにあるはずのない建物が、緑を配したスッキリとした外観の建築に建て替わることは、上野の街が本来の姿に近づくことだと、私は考えます。
また、真ん中の松竹会館だけ今後も長く今のままというのは非常にアンバランスで街の美観を損ねると感じますので、なるべく早く3棟そろっての建て替えが完了し、それぞれグリーンをうまく配置したファザードで統一されることを期待します。
そうなれば、上野公園の緑と文化芸術の香りが(あとパンダの香りもw)、この一角を通って連続的に街に流れ下りてくるような気がして、もしかしてそれこそが「本来の上野らしさ」なのではないかとも思います。欲をいうと、その先の広小路にもっと街路樹が茂っているとさらによいのですが。