雷門前の浅草通り遠景。下のマップでいうと、16番・浅草雷門通り商店街です。中央に雷門の屋根がチラッとみえているんですが、ほとんどが手前の商店街のアーケードに遮られてしまっていますね。
ところで、先日の記事で、銀座エリアの通り名が多くて驚いたと書きましたが、浅草の通り名(商店街)の数はその比ではないですね。狭いエリアにこれだけの数の商店街が手を変え品を変え名をかえて密集している街は全国見回しても他にないのではないでしょうか。 (詳細はマップに貼ったリンク先で)
マップの29番・新仲見世通り商店街のアーケード架け替え工事が進んでいますが、このほど、第2期工事が完成したようです。(写真を撮った時は全工程完成かと思ってましたが、商店街のサイトをみると五期まであるようですね。まだ先は長い。。)
京都や大阪などと違って、東京都心には、本格的なモール型アーケード商店街は全くと言っていいほどありません。しかし、浅草だけにはなんとなくたくさんあるような気がしていましたが、最近改めて浅草を歩くようになってみるとこの「新仲」のだけなんですね。 (訂正:「観音通り」や「すしや通り」など、新仲に垂直につながる通りもアーケードでした)
仲見世など、ほとんど観光客相手のお土産屋街に特化した地区を除いた、浅草の一般的な意味での商業の中心は明らかにこの通りです。学生時代、初めて浅草を訪れた時もここを浅草の中心と認識しましたが、はっきり言って薄汚れた場末感ただよう商店街(商店街の方すみません)という印象が強烈で、その時の印象がつい最近まで私の中での浅草のイメージを固定してしまいました。その頃に比べると同じ商店街とは思えないくらい、明るく、そして粋な感じになりましたね。
店も業態を変えた所が多いかというとそうでもなく、大半は何十年も前から商売をつづけている老舗が頑張っているようです。アーケード(と舗装)だけでここまで印象が変わるもんなんですね。
ただ、視点を変えると、アーケード商店街は、屋外型の商店街と違って、どうしてもアーケードの老朽化とともにすべての商店が一蓮托生で時代から取り残されたイメージをもたれてしまう度合が高いという宿命を持っています。雨風にさらされて汚れたアーケードをこまめに掃除するのは結構コストがかかるようで、地方では、汚れるがままにされてる商店街を多く見かけます。
また、いうまでもなく、個々の店の佇まいが間口だけしかみえないため、街並み、景観が画一的になります。(というか景観という概念がほとんど成立しません。)そのため、個別に新しい業態の店ができたとしても、どうしても商店街全体の老朽化の流れに抗うのが難しく、個別の店からボトムアップで街が新陳代謝していく能力が、解放型の商店街に比べて劣るのだと思います。
第一、買い物は空と街並みをみながらした方が楽しいし、雨が降ったら傘をさせばいいじゃないか、と私は思うので、アーケード商店街はあまり好きではないのですが、新仲見世の改装は、工事中に想像してたよりはるかにいい出来で、これなら東京都心にひとつくらいあった方が、ほかの街と差別化できていいじゃん、と思えてきました。
途中、何箇所かアーケードの切れ目があり、そこから突然スカイツリーが顔を出します。思わず立ち止まって空を見上げる買い物客がたくさんいました。計算してこうしたのかどうか知りませんが、なかなか面白い「仕掛け」だと思いました。
浅草の商店街・通りはマップの通りたくさんあって、皆それぞれ個性的で面白いので、これから折にふれ取り上げて行きたいと思います。