文化審議会は15日、国内最初期の美術館建築である聖徳(せいとく)記念絵画館(東京都新宿区)など8件の建造物を重要文化財に指定するよう、文部科学相に答申した。また重要伝統的建造物群保存地区に、南会津町前沢地区(福島県)、豊田市足助(あすけ)地区(愛知県)、萩市佐々並市地区(山口県)の3件を選定することも答申した。答申された建造物のうち、旧高橋家住宅(岩手県奥州市)と明治神宮宝物殿(東京都渋谷区)が東日本大震災で一部破損したが、文化庁は「構造上問題はない」としている。 |
東西に112m、南北に34m、ドームの頂点の高さは32mに及び、圧倒的な存在感がある。それもそのはず、明治天皇と昭憲皇太后のすぐれた知徳、つまり「御聖徳」を後世に伝える壁画を展示するために建てられたからだ。~中略~ 設計図案は1918(大正7)年、一般公募に寄せられた156点のうち一等に輝いた小林正紹氏の原図を基に、当時の明治神宮造営局が修正した。明治神宮外苑70年誌によると、小林氏は「外国様式の直写は避け、明治時代を代表する新しい様式を作成したかった」と、当時の美術誌に設計コンセプトを述べている。つまり、建物にも旧弊を退ける維新の精神が生き抜いているのだ。 |
ふーん、聖徳っていうのは明治天皇・皇后の御聖徳って意味なのか。そういや外苑とは言え、ここは明治神宮の敷地内だもんな。

この絵画館が貴重なのは、建物そのものの価値もさることながら、やはり、青山通りから一直線に見える銀杏並木とワンセットになったこの見事な景観があってこそでしょう。この景観を守るために、東新宿の日本テレビゴルフガーデン跡の再開発(新宿イーストサイド) が規制にかかり、高層マンションの高さ100m以下に抑えられました。
より大きな地図で 絵画館と東新宿再開発 を表示
聖徳絵画館と新宿界隈とは、全然別の街という印象があり、この話を聞いた時は違和感を覚えましたが、グーグルマップで距離測してみると、2キロちょっとしか離れてないんですね。大都市の都心部で高ささえ規制してれば景観を守ったということになってしまう風潮には反対ですが、この場所については妥当な措置でしょうね。

それでも、銀杏並木の途中の何十メートルかの間、絵画館の背後に新宿イーストサイドが見えてしまう区間があります。ただ、歩道からは並木が遮って絵画館そのものが見えないし、結構車の往来が多い車道から絵画館を眺める酔狂な人もいないだろうから、許容範囲なんでしょうね。(この写真一枚撮るのになんどクラクションを鳴らされたことかw)
帰りは銀杏並木の裏の通りを迂回して青山通りに向かいました。桜ごしの六本木ヒルズ。ヒルズは見る角度によって形が2パターンに別れますが、この角度の方が頭でっかち感がなく多少なりともスマートに見えます。

ここは、外苑内の児童遊戯施設の前なので、特にこのあたりの景観から浮いた印象は受けませんし、周辺にコンビニも何もないので、休日には親子連れとかの需要があるのでしょう。しかしまあ、こうしてみると、平日はほとんど利用者がいないのにデカイ冷蔵庫がこれだけ並んで24時間稼働してると思うと、非効率的なエネルギーの使い方だという感は否めないですね。

青山通りまで戻ってもう一度並木通りを覗く。通りの入り口の路面カフェがいい雰囲気。このへんに自動販売機がズラリと並ぶと、さすがに打ち壊したくなるでしょうw。やはり、絵画館を主役としたこの界隈全体の街並みが、守るべき貴重な文化財であると私は感じます。
せっかく撮ったので最後に並木道入り口からみた青山通りの街並みを左右それぞれ一枚ずつ。
表参道・渋谷方面。